―ここは都市化に失敗した寂れた港町。いくつもの便利な施設が建設されたが、さして人が集まることもなくそのほとんどが閉鎖していた。その中の1つ、浜辺沿いにある使われていないスポーツジムに、1人の男性が住み着いていた。頭が悪く家も仕事も無い彼は今日もフラフラと浜辺を歩いていた。しばらく歩くと見慣れない大きな塊が浜辺に打ち上げられているのに気付く。近寄ってみるとそれはダイビングスーツを着て気絶している女性だった。女性の美しさに目を奪われた男はその女性ダイバーを、海の神様が「報われない自分に遣わしてくれた『人魚』」だと思い込みスポーツジムに連れ帰った。逃げ出さないように、放置されたトレーニング器具に括りつけ、万が一のために暴れると余計に締め付けられるような結び方で身体を縛り付けた。『人魚』の事を知人の男性に話すと、知人は自宅から仮面と電気マッサージ器を持ち出しやってきたのだった。



